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熊本の家づくりは断熱性で差がつく!蒸し暑い夏もこれでおさらば

  • #家づくりのお役立ち記事

熊本にお住いの皆さんならすでに経験済みだと思いますが、とにかく夏は蒸し暑く、冬は氷点下まで下がるのが熊本です。この環境でいかに過ごしやすい家づくりができるかは「断熱工法」で大きく変わるといってもいいでしょう。

「断熱工法」とは、住宅の断熱性能を高めるための工法です。(断熱性能とは、熱が外部から内部へ、または内部から外部へ伝わりにくくする性能です。)

断熱工法には、大きく分けて、充填断熱工法外張断熱工法の2つに分けられます。

今回はその2種類のメリット・デメリットを紹介、さらに窓断熱、床断熱の計4種類の断熱工法について解説していきます。

サンプル
この記事がオススメな人
  • 熊本で家建てようと考えている人
  • 熊本の蒸し暑さに耐えられない人
  • できるだけ快適な家を作りたい人
  • 断熱工法の効果、費用面が気になる人

1.充填断熱工法と外張断熱工法の違い

充填断熱工法は壁や天井などの内部に断熱材を充填し、外張断熱は壁や屋根などの外側に断熱材を張っています。大きな特徴をざっと表にまとめました。

充填断熱工法外張断熱工法
断熱材の設置場所壁内壁外
壁の厚み厚くなるあまり変わらない
断熱効果高い高い
施工費用安い高い
施工期間短め長い
外観の自由度高い限られる
適用しやすい建物改修時に利用されることが多い新築時に利用されることが多い

では、それぞれのメリットデメリットを詳しく見ていきましょう。

2.充填断熱工法のメリット

①比較的安価

電卓で計算している写真

充填断熱工法は、断熱材を住宅の構造体内部に充填するため、外断熱工法に比べて安価に施工できます。

外断熱工法では、断熱材を住宅の外側に張り付けるため、多くの材料と労力が必要となります。
一方、充填断熱工法では、断熱材を住宅の構造体内部に充填するため、材料と労力が少なく済みます。

例えば、充填断熱工法でよく用いられるグラスウールの価格は、1 m2あたり約 200 円です。一方、外断熱工法でよく用いられるウレタンフォームの価格は、1 m2あたり約 300 円です。

つまり、充填断熱工法は外断熱工法に比べて約 33% 安価に施工することができます。

②住宅のデザインを損なわない

建築設計デザイン

充填断熱工法は、断熱材を住宅の内側に充填するため、外壁に断熱材が露出しません。これにより、外壁に影響を与えることなく、住宅のデザインを損なうことなく断熱性能を高めることができます。

外断熱工法では、断熱材を住宅の外側に張り付けるため、外壁に断熱材が露出します。そのため、外壁のデザインを変更する必要がある場合や、外壁の色を変更したい場合には、外断熱工法が不向きです。

③技術面の安心感

工事現場の写真

充填断熱工法は、木造住宅において最も一般的に用いられている断熱工法です。そのため、充填断熱工法の技術は比較的確立されており、安心して施工することができます。

外断熱工法は、比較的新しい断熱工法であり、技術が確立されていない場合があります。そのため、外断熱工法では、断熱性能が低下したり、断熱材が剥がれ落ちたりするなどのトラブルが発生することがあります。

3.充填断熱工法のデメリット

断熱材の設置が難しい場所があるため、断熱性能が低下することがある。

充填断熱工法では、断熱材を住宅の構造体内部に充填するため、柱がある場所では断熱材が途切れてしまいます。これにより、断熱性能が低下する可能性があります。

例えば、住宅の壁に柱が 1 本ある場合、柱の両側の断熱材は途切れてしまいます。これにより、柱の両側の断熱性能が低下する可能性があります。

断熱材が湿気を吸収すると、カビや腐食が発生する可能性がある。

充填断熱工法では、断熱材が住宅の内側に充填されるため、気密性が重要です。気密性が悪いと、壁内部に結露が発生する可能性があります。

壁内部に結露が発生すると、カビや腐食が発生する可能性があります。カビや腐食は、住宅の劣化や健康被害を引き起こす可能性があります。

③気密性や防湿性を高めるための対策を行う必要がある。

充填断熱工法では、気密性や防湿性を高めるための対策が必要です。気密性や防湿性を高めるための対策には、以下のものがあります。

・気密シートの設置
・防湿シートの設置
・窓やドアの気密性の向上
・換気の改善

気密性や防湿性を高めるための対策を行うことで、壁内部の結露を防ぎ、カビや腐食を防ぐことができます。

4.外張断熱工法のメリット

①断熱性能が低下しにくい。

外張断熱工法では、断熱材が建物の外側に設置されるため、内部の柱や配管・配線による断熱材への圧迫や影響を受けません。これにより、断熱性能が低下することなく、効果的な断熱効果を維持できます。内部の構造物が直接断熱材に触れないため、結露や熱損失のリスクを軽減できます。

②構造体が結露や腐食しにくい。

外張断熱工法では、断熱材が建物の外側に設置されるため、内部の構造体が外気と直接触れることがありません。このため、外部からの冷気や湿気による結露や腐食のリスクを抑えることができます。構造体の耐久性が向上し、建物の寿命を延ばすことができます。

5.外張断熱工法のデメリット

①施工費用の増加

外張断熱工法では、断熱材を外壁の外側に設置するため、建築費用が充填断熱工法と比較して増加する場合があります。外壁の追加工事や断熱材の費用が必要になるため、予算に影響を与えることがあります。

②工期の延長

外張断熱工法は内側からではなく、外部から断熱材を設置するため、工期が延びる可能性があります。外壁の撤去や断熱材の取り付けに時間がかかるため、工事期間が長くなることがあります。

③外観の制約

外張断熱工法では、断熱材の厚みや外壁の追加により、建物の外観に一定の制約が生じる場合があります。特に既存の建物に対して外張断熱を行う場合、外観の変化が避けられないことがあります。

④空間の縮小

外張断熱工法では、外壁の厚みが増えることがあります。そのため、室内空間が若干縮小される可能性があります。特に狭い敷地や既存の建物においては、空間の制約が発生することがあります。

6.壁や天井以外の断熱方法

<窓断熱>

窓の写真

窓断熱は、建物の窓を通じて発生する熱の出入りを制御し、断熱性能を向上させるための取り組みです。窓は建物の熱損失や熱取得の主要な要素であり、適切な断熱対策を行うことでエネルギー効率を向上させることができます。

二重窓

二重窓は、2つのガラス板の間に空気層または断熱ガス(通常はアルゴンガス)を封入した構造です。この二重構造により、室内と外気の熱の伝達を防ぎ、断熱性能を高めます。二重窓は熱の透過を抑え、結露や冷気の侵入を軽減する効果があります。

Low-Eガラス

Low-E(低放射)ガラスは、ガラスの表面に微細な金属酸化膜を施すことで、太陽熱や室内の熱を反射し、断熱効果を高めるガラスです。この膜は可視光線を透過させる一方で、赤外線や紫外線を反射します。Low-Eガラスは、熱の侵入を制御し、室内の快適性を向上させるために使用されます。

窓枠の断熱

窓枠やサッシの周囲に断熱材を配置することで、窓と壁の接合部からの熱損失を減らすことができます。断熱材は窓枠の内側や周囲に取り付けられ、熱の逃げ道を遮断します。窓枠の断熱により、断熱性能の均一化や結露の抑制が可能になります。

<床断熱>

床断熱は、建物の床下に断熱材を配置することで、地下からの冷気の侵入を防ぎ、床からの熱の逃げを抑える断熱対策です。床断熱は快適な室内環境の確保やエネルギー効率の向上に寄与します。

床下断熱

床下に断熱材を敷く方法です。床下の空間に断熱材を均等に配置することで、地下からの冷気を遮断し、室内の熱を床下に逃がしにくくします。一般的には断熱性の高い材料(例: 発泡ウレタン、グラスウール、ロックウール)が使用されます。

床断熱パネル

床の下に断熱パネルを敷く方法です。断熱パネルは通常、合板や断熱材を組み合わせた構造で、簡単に床下に設置できます。床下の断熱材として使用されるほか、通気層を設けることで床下の湿気を調節する効果もあります。

地盤断熱

地盤に断熱材を設置する方法です。地下からの冷気を遮断し、床下からの熱損失を抑えることができます。地盤には発泡ポリスチレン(EPS)や発泡ウレタンなどの断熱材が使用されます。

まとめ

項目 充填断熱工法 外張断熱工法
メリット 1. 比較的安価
2. 住宅のデザインを損なわない
3. 技術面の安心感
1. 断熱性能が低下しにくい
2. 構造体が結露や腐食しにくい
デメリット 1. 断熱材の設置が難しく、断熱性能が低下することがある
2. カビや腐食が発生する可能性がある
3. 気密性や防湿性を高めるための対策を行う必要がある
1. 施工費用の増加
2. 工期の延長
3. 外観の制約
4. 空間の縮小

今回は2つの断熱工法のメリット・デメリットを比較し、その特徴を紹介しました。また天井だけでなく、窓や床の断熱も重要であることが分かったと思います。

熊本の厳しい気候で断熱性を上げることは、エアコンや暖房器具などの使用率を下げることにもつながり、電気代の節約になります。

初めの投資額は高いですが、しっかりここで設備を整えておくことで後々の節約や暮らしの豊かさにもつながりますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?